宇和島城の登山口にある一心は
宇和島城の三之丸跡地に店を構えています。
店の裏手には、昔、お殿様が使っていたと思われる井戸があり
一心は平成29年12月、新築開店に合わせて
その井戸水を店舗前に引き出し、手水鉢を設置しました。
但し、この井戸水は手洗い専用で、飲用できません。
水筒などに飲用のお水が必要な方は、店内へお声かけ下さい。
平成7年、市内栄町港から丸之内に移転の際、 この井戸の存在を知りました。 以下の写真は平成29年8月撮影のものです。 |
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23年前に新築した時は、土地いっぱいに店舗を建ててしまい 井戸の上には客室ができたので、二度と表に出ることは無いと思っていました。 |
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この井戸は どれくらい前からあるのでしょうか・・・? 中を覗いてみると、 ご覧のようなきれいな石積みです。 水は絶えることなく湧き出ており、 一心の旧店舗では、22年間 玄関の打ち水などに利用していました。 |
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ところが急な展開が・・・ また新たな店舗に建て替えることとなり 三之丸の井戸は、再び人前に出ることに。 これを機会に一心初代店主は三之丸井戸を公に出して 一心のお客様だけでなく、宇和島城観光のお客様にも 何かしらの形にして利用していただけないかと考えました。 |
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「このような歴史ある井戸を埋もれさせておいてはいけない」 と、長年思っていた初代、これはきっといい方向に向くと喜びました。 設計士さんや施工管理の親方などに相談したところ 一心の建物裏の井戸はお客様にも見ていただけるように加工し、 玄関前に井戸水を引き出し、手水鉢を設置することに決まったのです。 これが平成29年夏の事です。 |
井戸をどうするか・・・というのは、設計段階で決まったことでしたが なぜか?建築が進んでいくと、井戸が半分以上建物に埋もれてしまうことに。 もうどうにもならない事がわかってからも、皆で知恵を出して、 庭師さん方のご苦労の甲斐あり 三之丸井戸は、かろうじて形を残すことが出来ました。 |
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この井戸の入り口はとても狭く 中に入れば若干広がりがあるものの 中に入るとなると だれでも躊躇するはず。 しかし、躊躇わず井戸に入って きれいに掃除をしてくれた若者が居ました。 庭造りに強い思いを持つ庭師チームの 仕事姿を、毎日見ていました。 一心の店主が、嫁が、息子が・・・ 毎日、誰かしらは職人さんにくっつくように 仕事を見ていました。 そして、色んな事を学ばせていただきました。 庭にかける思い・・・ 仕事をやり抜く根性・・・ お客様に対する心配り・・・ それは技術ではなくプロ意識なのですね。 かっこいい方達ばかりでした。 |
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近年、大勢の観光客が宇和島城を訪れています。 春・秋の気候の良い時期はいいのですが 真夏にも、汗をかきかきお城に上がられる姿を見るたび、 城山登山をされる観光のお客様に手を洗っていただき 汗をぬぐっていただくことに利用してもらえれば 歴史は埋もれることなく、現在も生きた活用ができると考えていました。 その前にぜひ 伊達10万石のお殿様が何百年も前に使っていたであろう三之丸の井戸水で 現在13代目の伊達の殿様に手を洗ってもらいたい・・・ そんな思いを込め、伊達の殿様に手を洗う事をお願いしたところ 快く引き受けて下さいました。 一心初代店主の長年の夢が現実となりました。 |
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伊達家13代御当主 伊達宗信様 |
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13代御当主と一心初代大将 |
玄関の手水鉢 |
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今後は、この手水鉢がたくさんの人々に利用されることと 宇和島城の歴史がひとつ、一心と共に語り伝えられたら… この上無い有難き幸せです。 平成30年5月8日 一心 三浦 憲博 |
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